4K単体録画ができるキャプチャーデバイス

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この記事は、おおよそ 6分14秒 で読めます。

ここ最近、会社の業務での動画収録では 4K対応マルチビューワーを使って、フルHDのビデオ映像やパワポのスライド映像などをひとつにまとめて、4Kキャプチャーデバイスで OBS 録画、あとでそれを分割して素材として編集という対応をよく行っています。イメージは、こんな感じです。

4K対応マルチビューワー~4KキャプチャーデバイスでOBS録画
4K対応マルチビューワー~4KキャプチャーデバイスでOBS録画

OBS を稼働させている PC が収録中にフリーズしたことはありませんが、録画のバックアップ体制がないのもそれはそれで不安です。というわけで、しばらく前から気になっていたサンワサプライの「400-MEDI040」を購入してみました。会社で業務用に購入する前に自家用テストという名目で。キャプチャーデバイスコレクションが増えるわけですが、これも趣味の一つということで・・

とはいっても、この「400-MEDI040」は、ちょっと高価です。メーカ直販のサンワダイレクトサイトでは普段、¥35,800(税込)で販売されています。Amazon では、だいたい¥29,800。それでも3万円なのでお高めです。が、GW にサンワダイレクトのサイトを見ているとセールを開催していました。¥30,800の販売価格のところ、2,000円引きのクーポンが使えて、さらにサンワダイレクトのポイントが7%(¥28,800×7%=2,016P)付与。普段からは9,000円引きになるので、お買い得価格の実質26,800円です。4Kで単体録画できる製品は他に調べた限りでは「Elgato 4K60 S+」があるのですが、こちらはもっと高価です。そこで GW 休みのおもちゃにもなるので、ポチっとしてみました。

先の理由で仕事で使えるかのお試しで購入というのは事実ですが、実は後々自家用での利用目的を想定して購入しています。でなければ、さすがに26,800円の投資は高額です・・今の時代、使うことは少ないと思うのですが「400-MEDI040」は HDMI入力だけではなく、RCA(AV)入力があります。我が家にはいまだにレーザーディスクプレーヤーや VHS ビデオデッキなどがあり、ディスクやテープが少しあります。ここ二十年くらい何回か引っ越しをするたびに早く処分したいと思っていますが、手元にあるソフトをデジタル化してから・・とずっと思っていて一向に実現できていません。最近は動画編集することも覚えましたので、とりあえず素材をデジタル変換しておいて後で整理するということも可能です。それに4K録画は必要ないのですが、単体でビデオデッキなどに接続し液晶画面で録画中の確認ができるというのは魅力です。キャプチャーするときのパソコンは不要になりますし。という後々の利用目的もあり購入に至りました。

購入前に確認していたよいところ 

仕様上から確認できていたのは、

  • 4K30fpsの単体録画が可能
  • 液晶画面で入力映像を確認できる
  • HDMIだけではなくRCA(AV)入力も可能
  • コンパクトな本体

こんなところでしょうか。さて、ここからは実機をいろいろと試してみて思うところを何点か。

液晶画面について

サイト上の取扱説明書や商品レビューで、あらかじめ液晶画面の比率が16:9でないことなどは認識済みだったので、実機を見てもその通りだなぁと。できれば、きちんとした比率で見たいところではありますが、そもそも小さい画面なので、映像内容の確認目的で液晶画面があるだけで十分かと。製造コストとの兼ね合いもあるかもしれませんし。

microSDカードへの録画について

説明書によると、本体でフォーマットすると FAT32 になってしまうようで 4GB を超えるとファイルが分割されますとありました。ただし、あるレビューの中で、パソコンで exFAT などでフォーマット後に「400-MEDI040」で使用すれば問題ないようなことが書いてありましたので試してみました。結論としては、パソコンで exFAT でフォーマットし本体に挿入、SDリーダライタモードに変更すると、勝手にフォルダ等が生成され問題なく利用できました。試しに3時間ほど単体録画してみると10GBを超えるファイルも保存されていました。なお、取扱説明書では128GBまでの容量となっていましたが、256GBのmicroSDカードも使用できました。(あくまでも自己責任での使用です)

サンプリングレートは 48kHz だった

取扱説明書には『音声サンプリングレート 48kHz』とありますが、サイト上で訂正されてます。正しくは『音声サンプリングレート 44.1kHz』と。ところが、いくつか録画してみて、ファイルのプロパティを確認すると「ソースのオーディオ形式 : 48000 Hz – 圧縮 – ステレオ」と表示されました。メーカに問い合わせをしたところ『音声サンプリングレート 48kHz』が正でした。

単体録画の音質が今一つ・・

試しにいろいろなソースを録画してみましたが、どうも音質が今一つです。ザワザワしていてクリアな感じがないというか何というか。わたしはそんなに耳がよいほうでもなく音質に関しても無頓着なほうですが、それでも明らかにソースとの違いを感じました。例えば、単体録画したファイルをスピーカーで聞いていた場合、人がしゃべっているようなシーンは特に気にしなければ気にならないのですが、音楽になった際、ザワザワするような感じとボーカルの音声がクリアではないという感じに聞こえました。 これに関してもメーカーに確認したところ、他の利用者からも「高音がシャカシャカ少し割れている感じがするという指摘」があったそうです。結論としては、エンコーディング時の圧縮に伴う劣化によるもので製品の仕様との回答でした。

単体録画モードの注意点

  • 日時表示[OFF]でないと録画ファイルに記録されてしまう。
  • マイクボリューム設定が単体録画時にも有効なので、マイク付きのイヤホンを接続する場合、マイク音声を録音しない場合はミュートの必要あり。
  • 充電切れになってもそこまでの録画ファイルは問題なく生成される。(これはよかった点)

UVCモードの注意点

USB2.0接続なので、当然といえば当然なのでしょうが、4K画質ではキャプチャーできません。フルHDのみとなります。また、音量ボタンが0(ゼロ)だと音声キャプチャーができません。ボリュームを1段階上げておく必要があります。あと、録画ビットレート設定が、キャプチャー映像の品質にも反映されます。[30Mbps]はきれいですが、[5Mbps]だとひどいです。単体録画だけでなく UVC モードにも影響する設定のようです。

ファームウェアに関して

下記商品、仕様や外観を見る限り「400-MEDI040」と同じような気がします。

TMREC-4K 4K30P 入力対応 HDMIメディアレコーダー
4K30PのHDMIの映像を、USBメモリやmicroSDカードに保存することができます。 バッテリーを内蔵しているため、外でのご使用もいただけます。 付属のAVケーブルを使用することで、コンポジットの入力にも対応しております。

両社とも、どこか製造元があって、そこから供給されているのかと思われます。ちなみに手元の「400-MEDI040」のファームウェアは「220328.SW.r1n」でした。先の他社サイトの情報では、更新日:2023年1月16日  とあります。なので、おそらく手元の「400-MEDI040」のファームウェアは旧い気がします。こちらもメーカに確認したところ、サンワサプライでは、現時点(2023/5/19)でのアップデート予定はないということでした。

400-MEDI040のメニュー画面
400-MEDI040のメニュー画面

まとめ

4Kでの単体録画が不要なら、他にも選択肢がありますので、価格的に他の機種もありかと思います。例えば、冒頭の会社の動画収録業務のようにどうしても4Kでの録画が必要という話であれば「400-MEDI040」になりますが、自家用での利用目的であるビデオデッキなどからの録画であれば、4K画質は不要なので下記の「400-MEDI034」で十分です。

現状「400-MEDI040」の残念なところは音質と思います。手元に AverMedia の「AVT-C878 PLUS」があるのですが、こちらの単体録画機能の音質は「400-MEDI040」と比較すると全然問題ありません。おそらく単体録画時のエンコード機能の調整で改善されると思われますので、それをぜひファームウェアのアップデートという形で実現してほしいです。サンワサプライさん、期待してます!というわけで、音質がよくなるまで会社での購入は断念しました。

前述のレーザーディスクのソフトって音楽ものだったりするので、残念ながら「400-MEDI040」では録画する気にはなれません。当面の使い道を考えなければ・・

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